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2016.03.28 マイナス金利について

今回は、マイナス金利について説明させていただきます。
マイナス金利とは、市中の銀行が日銀に預けている当座預金にマイナスの金利がつくというものです。もっとも、全ての当座預金にマイナスの金利がつくのではなく、3段階の階層構造に分かれます。

簡単に書きますと、まず、日本銀行に当座預金または準備預り金として預け入れなければいけない最低金額(=所要準備額)などについてはこれまで通り、ゼロ金利が適用されます。
次に、2015 年1月~12 月における平均残高までの部分にも、これまで通り+0.1%のプラスの金利がつきます。
そして、これらの部分を上回る部分には▲0.1%のマイナス金利が適用されるというものです。

つまり、銀行に対して日本銀行への預金残高の増加部分についてマイナス金利が適用されるという政策となっております。

上記のように銀行への政策ですので、会社や家庭は間接的に影響を受けることとなります。

マイナス金利が導入された目的は市中銀行の貸出を促進することと言えます。
これまでは日銀の当座預金にお金を入れるだけで少ないながらも0.1%の金利を確保できたわけですが、今後の増加分はマイナス金利になってしまいます。

つまり、金利を支払う位なら他に貸しだそう、と市中銀行が行動することを期待している訳です。
貸出が促進されれば、景気が良くなり、日銀が目標としている2%の物価目標達成につながってきます。

また、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは、日銀の新政策導入決定後にマイナスまで急低下しております。
長期金利はさまざまな金融商品の金利の目安であり、これがマイナスになったことで、企業の借入金利や、すでに歴史的な低水準にある住宅ローン金利などがさらに下がる可能性があります。

上記のように銀行からの融資を受けやすくなり、また利息費用も下がるというメリットがあります。

しかしながら、銀行としては貸し出しでの利息収益が減るおそれがあるため、すでに預金金利の引き下げに踏み切った銀行もあります。
さらに銀行が利用者の負担を上げた場合(例えば預金者向けのサービスにかかる手数料が引き上げられるなど)
預金金利の引き下げ(利息収益の減少)とランニングコストの増加で、
実質的にマイナス金利と同じように、利用者の預金が目減りする状況になる可能性もあります。

マイナス金利の観点から、今後の銀行各社の動向に注目してみてはいかがでしょう。

参考
日本銀行HP 金融市場調整方針に関する公表分2016年(1/29)
http://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/state_2016/index.htm/

 
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